更年期障害の女性ホルモン治療「ホルモン補充療法」とは?

女性ホルモン補充療法とは、閉経の前後に卵巣の機能が衰え分泌量が減少する女性ホルモンを、薬によって補充する療法です。別名HRT(hormone replacement therapy)とも呼ばれています。日本ではまだ馴染みの無い治療法ですが、欧米では30年以上もの実績がある治療法です。

【7の倍数がカギ?】薄毛と女性ホルモンの関係の真相に迫るの記事でも少し触れていますが、女性ホルモンは体内でのみ作られているため、食べ物やサプリメントで補充することが出来ません。

女性ホルモンの著しい低下は、めまい、ホットフラッシュ、不安感や息切れなどの更年期症状を引き起こします。このような更年期の症状を緩和し、更年期以降の女性の健康を維持する目的で、ホルモン補充療法は行われています。

女性ホルモン補充療法(HRT)のメリット・デメリット

女性ホルモン補充療法(HRT)のメリット・デメリットは以下のようなものが挙げられます。

女性ホルモン補充療法のメリット

  • 更年期症状が緩和される
  • 骨密度の上昇(骨粗鬆症対策)
  • 動脈硬化など生活習慣病を防ぐ
  • 認知症の予防

女性ホルモンは、骨、血管、髪、心臓など人間の体の様々な部分を守ってくれています。その鎧が剥がれてしまった女性のために、今後の人生の鎧を必要な分だけ補充してあげるという治療が女性ホルモン補充療法です。特に骨密度の低下から起こる「骨粗鬆症」は女性の死因の8番目に位置し、女性の病気としては無視できない病気となっています。

女性ホルモン補充療法のデメリット(副作用など)

  • 胸焼け、むくみなどの症状が出る場合がある
  • 胸や下腹部などに張りを感じる場合がある
  • 乳がん、子宮体がんになりやすい

むくみや張りなどの症状は、治療を続けることで徐々に無くなっていきます。乳がんになりやすくなる確率としては「1万人に3人程度増える」と、アメリカの臨床実験の結果が出ています。

女性ホルモンの投与方法

療法で用いられる薬のタイプには「飲み薬」、「貼り薬」、「塗り薬」があります。貼るタイプや塗るタイプは、女性ホルモンが内臓を通らずに血中に吸収されますので、胃腸や肝臓に負担のかかりにくい方法と言えます。

女性ホルモン補充療法では、エストロゲンと黄体ホルモン(プレストロゲン)の両方を投与する方法が一般的です。

これは子宮体がんのリスクを軽減するためで、エストロゲンは更年期の症状を緩和させると同時に、子宮内膜を増やしてしまいます。

子宮内膜が増え続けると、子宮体がんのリスクは高まりますので、黄体ホルモンを同時に投与し、増えてしまった子宮内膜をはがし、子宮内を掃除する役目をしてもらうのです。

また、女性ホルモンの投与方法には以下の3通りがあります。

周期的併用法

更年期症状の程度によって投与方法は変わってきますが、主に閉経前後の女性に用います。エストロゲンを一定期間服用し、その後に黄体ホルモンを服用します。毎月、月経のような出血を伴うのが特徴です。

持続的併用法

閉経後数年たった女性に用いられる投与方法です。毎日、エストロゲンと黄体ホルモンを服用します。最初の数ヶ月は不正出血が見られます。周期的併用法で起こる周期的な出血が嫌な女性に向いています。

持続的単独法

黄体ホルモンは服用せず、エストロゲンのみを毎日服用する投与方法です。子宮を摘出した女性の場合だとプロストロゲンは必要が無いため、この投与法が用いられます。

女性ホルモン補充療法を行えない方

以下に当てはまる場合は、女性ホルモン補充療法は行えません。

  • 乳がんの方。または乳がんと診断されたことがある方
  • 子宮体がん、子宮内膜がん、子宮内膜の疾患を治療中の方
  • 不整脈・心筋梗塞・脳卒中を起こしたことがある方
  • 血栓症の方。または血栓症にかかったことのある方

女性ホルモン補充療法の治療費

ホルモン補充療法は更年期障害の治療が目的の為、健康保険が適用されます。一般的には初診で4,000~5,000円前後、その後は月2,000~3,000円くらいが目安です。その他、定期的に行われる副作用の検査料等は別途になります。但し、自由診療や更年期ドッグなどの場合は上記の限りではありません。

 

 

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